これまでFXの初心者は、「初めての取引なら米ドル・日本円かユーロ・日本円」という価値観が定着していました。
しかし、近年はFXの取引経験が浅い人でも日本円と豪ドルのクロス円での取引をする人が増えているという話をよく聞きます。
FX・外貨預金で豪ドルの取引をする人が多い理由とは?
FXとは別の話ですが、外貨を用いる取引にはこの他に銀行の外貨預金があります。
実は、この外貨預金でも近年は米ドルやユーロよりも豪ドルに人気が高まっているということです。
そもそも豪ドルとは豪州、オーストラリアの通貨です。
それでは、オーストラリアとはどんな国なのか、少し触れてみましょう。
オーストラリアは日本の反対側、コアラのいる国としても有名ですね。
余談ですが、なぜオーストラリアのことを豪州と呼ぶのかご存知でしょうか。
日本語でオーストラリアを漢字で表記すると「濠太剌利」と書きます。難しい漢字なのでわかりづらいですが、オーストラリアを一つの漢字で書くと「濠」、もともとはさんずいが入ったこの漢字が使われていました。
しかし、「濠」はもともと常用漢字ではなかったため、簡単な漢字として「豪」が一般的に使われるようになりました。
話を元に戻しますが、豪州の取引量はいったいどのくらいだと思いますか?
1位・2位を占めるのは、世界中でもっとも流通量の多い米ドルやユーロであることは言うまでもありません。
豪ドルの取引量は世界で5位という立ち位置です。
しかし、他国の通貨の取引量と比較すると、豪ドルがはるかに多いとは言っても、全体のわずか3%程度にとどまっています。取引量が少ない通貨は、言い換えれば通貨としての流動性は低いです。
米ドルやユーロのように流動性が極めて高い通貨だと、値動きはそれほど激しくはありません。
しかし、豪ドルのように流動性が低い通貨は、値動きが荒くなることがあります。
値動きが激しいことは、価格が下がった後に急激に上昇することも頻繁です。
これをうまく活用していけば、高い利益が狙えるチャンスがあるというわけです。
銀行の外貨預金で豪ドルの人気が高まる理由は、資源国の通貨であり、金利が高いことにあります。
ここ数年、銀行の金利は急激な右肩下がりになっており、もはや定期預金を勧める銀行は皆無に等しいです。
その代わりに外貨預金や投資信託を勧める銀行が増えてきました。
FXでは、異なるニ国間の通貨の金利差で利益が狙えるので、超がつくほどの低金利の日本円と高金利の豪ドルは絶妙の組み合わせです。
ちなみに、銀行の預金の利息は、従来は.0.01%が相場でしたが、コロナの影響もあってか0.002%にまで落ち込んでいます。
「豪ドル」のオーストラリアの資源に注目
「豪ドル」のオーストラリアは資源国としてあまりにも有名ですが、どんな資源があるのでしょうか。
オーストラリアと言えば、石炭や鉄鉱石などの資源が豊富、そのため、これらの資源の市場の影響を受けやすいのです。
オーストラリアは原油の輸入が大きいため、原油については市場の影響は受けにくいものとみられがちです。
しかし、実際にはそうではなく、原油市場との相関性が大きく関わってくるため、豪ドルの価格にも反映されることも少なくありません。
実は豪ドルは、FXと外貨預金だけではなく、債券・投資信託の分野においても人気が高まっています。やはり高金利通貨であることが豪ドルの最大の魅力、しかし、その一方でリスク管理も必須です。
高金利通貨の場合、為替変動リスクと常に向き合う必要があります。
為替変動リスクは豪ドルがもっとも大きいとも言われており、通貨の値動きには常に監視が必要です。